WOWS ソロ駆逐日記

World of Warships(WoWS)の駆逐艦の性能・立ち回り・艦長スキル・プレイの様子などの記事を書いてます。

隠蔽と無線は「必須」か? 砲駆の隠蔽半切りビルド

 

隠蔽を向上させ、敵から発見されにくくする『隠蔽専門家』。最も近い敵艦の大まかな方向が分かる『無線方向探知』。どちらも駆逐艦の生存性や立ち回りを補助するので、「駆逐艦は隠蔽と無線を取るべき」というのが通説ですが、どういう戦略を持って戦うかでビルドは大きく異なります。

 

人数の多いランダム戦では隠蔽や無線を取らないビルドも充分に考えられます。というのも、ランダム戦は人数が多いため、対駆と対戦の重要度や頻度が異なるからです。また、艦の特徴も多様化され、いろいろなプレイが可能になっているからです。実際に隠蔽や無線を取らずにプレイされている上級者の駆逐プレイヤーも居ます。

 

艦の性能と違って、プレイスタイルや戦略はバトル中に状況によって変えていくものですが、基本戦略としては大きく2つあります。『敵駆逐より敵戦艦を優先してダメージレースで勝つ・敵駆逐は艦載機やレーダーで見えたら対応するという戦略』『敵駆逐に重点を置いて、敵のスポット役を沈めてから戦艦を狙う・敵駆逐は積極的に自分で見るという戦略』です。

 

今回はWG公式wikiの推奨スキルから、艦の特徴がハッキリしている米駆を例にとって比較してみます。サーバーによって環境が違うという意見もありますが、今回は空母・航空戦艦・潜水艦が居る環境と考えて、サーバー間のプレイングの違いは微差として考えます。

 

また、こーちゃさんのブログ記事で推奨されている隠蔽半切りビルドを少し紹介します。隠蔽半切りビルドの詳細については、こーちゃさんのブログですごく丁寧に分かりやすく砲駆の立ち回り・ビルド・テクニックを紹介しているので、砲駆に興味がある方はぜひご覧ください!

 

pad-kocha.hatenablog.com

 

 

 

 

公式Wiki推奨スキルの比較

雷駆の場合(サマーズ)

Tier10アメリカ駆逐のサマーズの推奨スキルです。4連装16.5kmの魚雷を3基搭載している雷撃型の駆逐艦です。推奨スキルも魚雷系のスキルが推奨されているのが分かります。

サマーズの推奨スキル

ここで、今回注目する隠蔽と無線に注目してみましょう。隠蔽は推奨度3に対して、無線は推奨度1です。これは敵に近づきたいかがポイントになっています。

 

雷駆が頻繁に標的にする艦は戦艦です。隠蔽を取得すると、敵戦艦に近づきやすくなります。近づけば近づくほど魚雷が当てやすくなります。よって、推奨度3です。

 

無線は、標的に「探知された」という表示がされて、近くに駆逐か巡洋艦がいることがバレてしまいます。そうなると、魚雷を警戒されてしまいます。よって、推奨度1です。

 

無線は敵駆逐の位置を把握できたり、対駆逐時に先回りできるメリットもありますが、そもそも敵駆逐を回避することが目的なら、『素早く静かに』も有用です。さらに、無線を取得していない場合は、敵戦艦に警戒されずに近づくことができるというメリットもあります。駆逐より敵戦艦を優先してダメージレースで勝つ・敵駆逐は艦載機やレーダーで見えたら対応するという戦略を持っていると、無線はなくてもいいというビルドでも充分戦えます。

 

 

砲駆の場合(シャーマン)

Tier10アメリ駆逐艦のシャーマンは、SAP弾を使用でき、DPMが高く、低弾道で遠距離でも当てやすいという特徴をもった砲駆です。機動力が低いので回避盾運用ではなく、煙幕射撃が得意です。煙幕の回数を増やす管理や、煙幕射撃でも火力を上げられるアドレナリンが推奨されています。

 

シャーマンの推奨スキル

ここで、今回注目する隠蔽と無線に注目してみましょう。隠蔽は推奨度2、無線は推奨度0です。これも敵に近づきたいかがポイントになっています。

 

砲駆が頻繁に標的にする艦は戦艦です。敵から離れていればいるほど、狙われたり被弾する確率が低くなります。よって隠蔽は推奨度2です。そのかわり、主砲射程を伸ばせる『主砲・対空兵装専門家』が推奨度3になっています。

 

隠蔽は、敵艦に近づきやすくなり、対駆逐を行いやすくなるメリットがあります。しかし、駆逐より敵戦艦を優先してダメージレースで勝つ・敵駆逐は艦載機やレーダーで見えてから判断するという戦略を持っていると隠蔽の重要度は低くなります。

 

無線に関しても同様で、無線を取得していると敵駆逐の位置を把握できたり、対駆逐時に先回りできるメリットもあります。しかし、対駆逐より対戦艦を優先する・敵駆逐は必要になったら対応するという戦略を持っていると、無線はなくてもいいというビルドでも充分戦えます。

 

 

 

 

 

バランス型の場合(ギアリング)

Tier10アメリカ駆逐のギアリングの推奨スキルです。5連装16.5kmの魚雷を2基搭載しており、主砲のDPMも高く、ビルドによって砲駆にも雷駆にもなれるバランス型の駆逐艦です。推奨スキルも主砲系・魚雷系のスキルが推奨されているのが分かります。

 

ギアリングの推奨スキル

ここで、今回注目する隠蔽と無線に注目してみましょう。隠蔽は推奨度3、無線は推奨度1です。これも敵に近づきたいかがポイントになっています。

 

ギアリングの主砲は弾道が悪いため接近戦向けです。なので敵に近づいた方が当てやすくなります。また、魚雷も敵に近づいた方が当てやすくなります。よって隠蔽は推奨度3です。

 

無線は敵駆逐の位置を把握できたり、対駆逐時に先回りできるメリットもあります。しかし、敵駆逐を回避するためなら、『素早く静かに』も有用で、敵戦艦に近づきやすくなるというメリットもあります。駆逐より敵戦艦を優先してダメージレースで勝つ・敵駆逐は艦載機やレーダーで見えてから判断するという戦略を持っていると、無線はなくてもいいというビルドでも充分戦えます。

 

逆に、敵駆逐に重点を置いて、敵のスポット役を沈めてから戦艦を狙う・敵駆逐は積極的に自分で見るという戦略を持っていると、無線は必要というビルドになります。よって、2つの基本戦略が考えられるギアリングでは、無線探知が推奨されてはいても必須級ではありません。

 

 

 

対駆逐型の場合(ブラック)

Tier9アメリ駆逐艦のブラックは、煙幕とレーダーを同時に使える特徴をもった駆逐艦です。煙幕とレーダーの回数を増やす管理や、煙幕内でも火力を出せるアドレナリンが推奨されています。

 

ブラックの推奨スキル

ここで、今回注目する隠蔽と無線に注目してみましょう。隠蔽は推奨度3、無線は推奨度3です。これも敵に近づきたいかがポイントになっています。

 

ブラックの主砲は弾道が悪いため接近戦向けです。なので敵に近づいた方が当てやすくなります。よって隠蔽は推奨度3です。

 

無線は敵駆逐の位置を把握できたり、対駆逐時に先回りできるメリットもあります。また、ブラックの魚雷は低速なので、敵戦艦に「探知された」という表示がされても到達まで相当時間がかかり、置き魚雷の運用になります。よって、敵戦艦に「探知された」というデメリットが薄くなります。

 

また、ブラックはレーダーと煙幕を使用して敵の駆逐艦を沈めるのが強力な艦です。敵駆逐に重点を置いて、敵のスポット役を沈めてから戦艦を狙う・敵駆逐は積極的に自分で見るという戦略を持っていると、無線は必要というビルドになります。よって、ブラックでは無線探知が必須級となっています。



考察のまとめ

以上の考察から、敵艦に近づきたいかどうか・どういった戦略を持つか、によって、隠蔽と無線の推奨度が変化することがわかりました。

 

①敵艦に近づいて魚雷を投げたい場合は、隠蔽は必要ですが無線は無くても良い

②敵戦艦から離れて砲撃をする場合は、隠蔽と無線は無くても良い

③砲雷両用をしたい場合は、隠蔽と無線両方あっても良い

④敵駆逐艦を積極的に攻撃する場合は、隠蔽と無線がかなり推奨される

 

といったパターンが見られたと思います。よって、隠蔽と無線は必ずしも必須ではなく、どういった戦略を持つかによって必要性が変わってくるスキルと言えます。

 

 

 

 

 

 

 

隠蔽切り・無線切りあれこれ

 

隠蔽が元から悪く、遠距離射撃が得意な艦は、隠蔽と無線を取らないビルドがオススメできます。ハバロフスク・デルニー・クレベール・エルビング・シャーマン・ドルイドなどです。実際、自分も隠蔽が元から悪いハバロフスクでは隠蔽と無線は取らずに運用しています。

 

また、雷駆でも敵戦艦に「探知された」と表示されるデメリットを嫌って、無線を取らないビルドも充分考えられます。敵駆逐の位置を把握できるメリットは有りますが、戦艦にダメージを与えてダメージレースで勝つ戦略を基本に据えている場合は、無線は必要ないかもしれません。

 

砲旋回が悪い艦は、敵艦の位置が分かる無線を取っていると、あらかじめ無線の方向に砲を回しておけるというメリットがあります。しかし、砲旋回が良い艦は、敵艦と会敵してからでもすぐに主砲を向けることができるので、砲をあらかじめ回しておけるというメリットが薄いと言えます。基本戦略の違いに加えて、こういったのメリットの薄さも考えて、砲旋回の速いギアリングやデアリングなどで無線を取得しないというビルドも充分考えられます。

 

対駆逐が強くなればなるほど、隠蔽を取って敵駆逐に近づくメリットが大きくなるので、スモランド、ラグナル、グダニスク、バザン、春雲などは最良隠蔽にする人も多いです。ただし、スモランド・ラグナル・グダニスクはレーダーがあるので、最良隠蔽にしなくても対駆逐が可能です。また、バザン・春雲など隠蔽が比較的良い砲駆でも、最良隠蔽にせず、アプグレか艦長スキルのどちらか一方だけというプレイヤーも居ます。こういった、アプグレか艦長スキルの片方のみ隠蔽を取得するビルドは『隠蔽半切りビルド』と呼ばれています。

 

隠蔽半切りビルドや砲駆の乗り方・立ち回り・テクニックについて、こーちゃさんが丁寧に分かりやすく解説されています。ものすごく参考になるので、砲駆に興味のある方はぜひご覧になってください。

 

pad-kocha.hatenablog.com

 

 

 

隠蔽半切りを試してみる

 

こーちゃさんの記事に触発されてやってみることにしました。

 

 

 

【隠蔽や無線を取らないビルドが考えられる駆逐艦
ハバロフスク、デルニー、クレベール、エルビング、レゴロ、F.シャーマン、ドルイド、スモランド、ラグナル、グダニスク、バザン、春雲、など

 

 

 

ハバロフスク

ハバロフスク 隠蔽全切りビルド

 

ハバロフスク 隠蔽全切りビルド 性能詳細

 

隠蔽全切りビルドです。とにかく遠距離射撃をしつつ敵弾を回避する、回避盾運用をしています。敵駆逐は中盤~終盤に孤立していたらアタックする程度で、基本的には無視してダメージレースで勝つ運用をしています。

 

 

 

デルニー

デルニー 隠蔽半切りビルド

 

デルニー 隠蔽半切りビルド 性能詳細

隠蔽半切りビルドです。隠蔽全切りも試したことがあるのですが、巡洋艦に先手を取られた際に、防御力がハバロフスクより低いため、全切りはやめました。こちらも回避盾運用を行います。

 

 

F.シャーマン

F.シャーマン 隠蔽半切りビルド

 

F.シャーマン 隠蔽半切りビルド 性能詳細

隠蔽半切りビルドです。敵戦艦に対しては煙幕射撃をしてダメージを出します。煙幕がリロード中の時に、敵駆逐にスポットされないように警戒しながら立ち回る戦略です。隠蔽無線ビルドでは、敵駆逐をソナー圏内に入れて倒すことができましたが、このビルドでは、敵駆逐が見えたら中~遠距離から低弾道を活かして撃つだけで充分という判断をしています。

 

 

エルビング

エルビング 隠蔽半切りビルド

 

エルビング 隠蔽半切りビルド 性能詳細

隠蔽半切りビルドです。敵戦艦や巡洋艦の横を取りつつダメージを出し、敵駆逐へのアプローチは見えたら撃つ程度にし、キャプに対しては中盤以降に味方の火力支援を受けながら占領するという立ち回りをします。

 

 

クレベール

クレベール 隠蔽半切りビルド

 

クレベール 隠蔽半切りビルド 性能詳細

隠蔽半切りビルドです。アップグレードを隠蔽UGではなく転舵UGにし、隠蔽は艦長スキルで取得しています。基本的に回避盾運用です。敵駆逐には、中盤以降に孤立していた場合に、エンジンブーストや島を使って叩くことを視野に入れています。

 

 

ドルイド

ドルイド 隠蔽半切りビルド

 

ドルイド 隠蔽半切りビルド 性能詳細

隠蔽半切りビルドです。機動力が低いので敵駆逐は見えたら撃つ程度にし、敵戦艦や巡洋艦の横を取る立ち回りをしています。島を使った立ち回りをすることもあるので、その時に敵駆逐へのアプローチができたら近距離で横を取る動きもします。

 

 

 

まとめ

ビルドは戦略と艦の特徴とプレイスタイルで変わります。基本的には隠蔽と無線は、立ち回りが楽になり、生存性を上げるので、ほぼ全ての駆逐艦でオススメしています。しかし、敵を早く沈めてダメージレースで勝つという戦略を持っていたり、対駆逐は艦載機やレーダーで見えてから判断するという戦略をメインに据えている場合は、隠蔽や無線はむしろ無駄になることもあります。

 

特に隠蔽半切りビルドは、敵艦隊から離れて戦ったり、対駆逐戦闘を後から行ったり、そもそもそんなに敵駆逐にアプローチしないような、隠蔽が比較的悪く遠距離射撃に向いている砲駆に有効と言えるでしょう。

 

空母・航空戦艦の環境で分艦隊を組める人なら、ダメージを出しつつ味方空母やレーダー艦と連携できるので、隠蔽や無線切りビルドの方が環境にあっているかもしれません。

 

駆逐初心者は、オススメされたから取ったで構いませんが、乗り慣れてきたら自分のプレイスタイルと艦の特徴と基本戦略を考えてビルドを組んでみてください。