WOWS ソロ駆逐日記

World of Warships(WoWS)の駆逐艦の性能・立ち回り・艦長スキル・プレイの様子などの記事を書いてます。

駆逐艦の固有アップグレードの評価

 

この記事では駆逐艦の固有アップグレードについて紹介しています。ツリー艦のTier10駆逐艦には固有UGが実装されているものが多くあります。武器庫の研究局から研究ポイントで入手可能で、プレイスタイルを大きく変えるUGですが、クセの強いものも多くあります。今回はそういった固有UGについて、個人的な評価を書いています。

 

 

 

島風

 

スロット6(主砲装填UGや魚雷装填UGと同じスロット)


「魚雷発射管改良3」と比較すると、魚雷の装填時間が-15%だったものよりも更に10%短縮されます。そのかわり、デメリットとして魚雷の発射管の旋回速度が-70%と非常に遅くなります。3スロット目の「魚雷発射管改良1」で魚雷発射管の旋回速度のペナルティを軽減できますが、それでも-50%の状態になるため、あらかじめ魚雷を狙う相手に発射管を向けておく必要があります。

 

12km魚雷で魚雷装填手を取得している状態で、魚雷発射管改良3と固有UGの装填時間を比較すると、魚雷発射管改良3は117秒、固有UGは103.3秒で、約14秒差になっています。魚雷発射管改良3は、素早く指向できることで、魚雷を流す機会を逃さない状態にできます。それに対して固有UGは、装填時間を短くすることで、魚雷を流す機会を逃さないようにしています。どちらも魚雷を流す機会を逃さない要素が共通しているので、どちらのUGにするかはプレイスタイル次第でしょう。

 

島が多い所で戦うなど、瞬時に魚雷を指向したり、複数の敵艦を狙うことが多い場合は魚雷発射管改良3がオススメです。外周から攻めるなど、魚雷を流す方向をあまり変えないようなプレイが多い場合は固有UGがオススメです。

 

 

 

春雲

 

スロット5(隠蔽UGと同じスロット)

 

隠蔽システム改良1が載せられない代わりに、煙幕の性能を変更するUGです。隠蔽距離が最短でも6.9kmになりますが、発煙装置の動作時間が最大で52.8秒になります。また、煙幕の持続時間も126.1秒になります。通常の場合は、動作時間は20秒、持続時間は97秒なので、米駆並みの持続時間の煙幕を、1分近く展開できることになります。動作時間が長いので、イタリアやパンヨーロッパ駆逐のように、移動しながらの煙幕射撃ができ、魚雷を避けやすい状態での煙幕射撃が可能です。

 

ただし、隠蔽が悪化するため、敵駆逐へのアプローチや陣地占領が非常に難しくなります。機動力が悪いため、敵駆逐にヘッドオンをする前に逃げられることが多くなり、逆に敵艦からは狙われやすくなります。よって、敵駆逐は味方と一緒にアプローチして、煙幕射撃や味方への煙幕支援によるダメージレースで勝つ戦略がメインになります。

 

春雲は魚雷には弱いですが、砲火力が非常に高く隠蔽も良いので、1対1での対駆逐艦能力が非常に高いです。よって、対駆逐能力のメリットを失った分、煙幕射撃と味方との連携で取り返せるかが焦点になります。ソロの場合だと、味方との意思疎通がうまくできないことが多く、思ったよりも戦果が出せれないことがあるので、比較的分隊向けのUGとも言えます。

 

大会では味方艦と連携する戦術で使用されることが多いですが、ランダム戦で特にソロだと味方との連携が難しいので、固有UGを使うことはあまりないと思います。固有UGで戦うとしたら、敵駆逐やキャプは中盤以降に味方と行うようにして、煙幕射撃や味方への煙幕支援をしながら、ダメージレースで勝つ戦略を取る場合に、有効になると言えるでしょう。

 

 

 

ギアリング

 

スロット5


最良隠蔽を5.6kmにする代わりに、主砲と魚雷の装填時間が悪化するアップグレードです。5.6kmは島風と同じくTier10での最良隠蔽なので、デアリングや春雲など6.0km前後の駆逐艦に対して、隠蔽状態を保ちながらスポットをして、味方に撃ってもらうという選択肢が出てきます。修理班を所持していないギアリングにとっては、体力を温存しながら有利に戦える選択肢が増えるので、隠蔽を使って戦うプレイヤーにはオススメのUGです。

 

ただし、主砲と魚雷の装填時間が悪化するデメリットがあります。主砲は3.0秒→3.45秒、HE弾DPMは216000→188000になります。魚雷は10.5kmは103秒→108秒、16.5kmは116秒→121.8秒となります。DPMは20万を下回り、魚雷は2分を超える時間になるので、ペナルティとしては大きいです。艦長スキルや他のアップグレードで補強しておかないと、スポットでHP有利を作っても撃ち負けたり、魚雷でのプレッシャーが低くなってしまいます。

 

また、最良隠蔽を使って敵駆逐艦をスポットしても、味方が撃ってくれず結局何もできなかったという場合もあります。仏駆やソ駆が相手の時にありがちです。こういった場合も、隠蔽UGで砲雷の火力を上げてダメージレースで勝てるようにしておけばよかったとなる場合があります。

 

空母・潜水艦・航空戦艦・レーダー艦の増加で、駆逐艦同士の隠蔽を使った戦いが減り、以前よりも隠蔽の良さが有利に結びつきにくくなっていますので、必須級のUGとまでは言えないです。しかし、砲雷のバランスの良さに、隠蔽という新しい武器が加わることを考えると、装備をオススメできる固有UGです。

 

 

 

グロゾヴォイ

 

スロット6


主砲の装填時間と旋回時間を、主砲改良3より改善するかわりに、魚雷の装填時間が悪化する固有UGです。主砲改良3が、装填時間-12%、旋回速度-13%なので、装填時間が短縮され、砲旋回へのペナルティも軽減されています。しかし、魚雷発射管の装填時間のペナルティが大きく、129秒→154.8秒と、30秒近く悪化します。

 

遠距離からでも弾を当てやすいグロゾヴォイは、主砲を主軸にして戦いやすく、砲性能の強化は嬉しいです。装填時間は3.7秒→3.44秒、HE弾のDPMは175000→188000、AP弾のDPMは253000→272000になります。しかし、12km魚雷も優秀です。雷速やリアクションタイムがよく、弾道を活かして11~14kmに敵艦を収めて、煙幕射撃や遠距離射撃で戦いたいグロゾヴォイにとって、12km魚雷は交戦距離を変えずに使えるダメージソースとして優れています。

 

砲性能の強化量と、魚雷装填時間の悪化分のメリット・デメリットの比較となります。得意な交戦距離で砲雷両用が可能なグロゾヴォイにとっては、HE弾DPM1万とAP弾DPM2万増加のメリットよりも、魚雷装填時間30秒悪化のデメリットの方ががやや目立ちます。主砲をメインに戦うプレイヤーには固有UGはオススメですが、雷撃にも重点を置きたいプレイヤーは装備しなくても良いでしょう。

 

 

 

ハバロフスク

 

スロット5

 

隠蔽システム改良1や操舵装置改良2のかわりに搭載でき、主砲の射程や装填時間を向上させます。ただし、消耗品の動作時間が短くなります。

 

最大主砲射程は13.5km→14.8kmになり、主砲装填時間は5.0秒→4.7秒、HE弾のDPMは182400→194000になります。かわりに、エンジンブーストの動作時間は120秒→96秒、修理班の動作時間は28秒→22.4秒になります。

 

遠距離射撃をするハバロフスクにとって、主砲の射程延長は非常に大きなメリットになるので是非とも取りたいところですが、デメリットとして、隠蔽や転舵が強化できず、修理班とエンジンブーストの動作時間が短くなるデメリットがあります。

 

交戦距離が離れれば離れるほど、自艦は安全になるので、修理班の動作時間の減少分は固有UGのメリットで相殺されていると言えます。また、エンジンブーストの動作時間の減少による回避盾運用の短縮分も、自艦が安全になること・攻撃範囲が広まること・DPMが向上することを考えれば、固有UGのメリットで相殺されているでしょう。

 

問題は、隠蔽システム改良1と操舵装置改良2が搭載できないことによる、立ち回りの悪化です。隠蔽に関してはUGだけでなく、艦長スキルでも改善可能なので、隠蔽が気になる人は艦長スキルで改善しても良いです。

 

転舵に関しては、素の転舵所要時間11.1秒のままだと非常に操艦が難しいので、操舵装置改良2はかなり欲しいUGです。幸い、スロット4で、操舵装置改良1を搭載可能なので、転舵はそちらで改善して、固有UGをつけるということもできます。ただし、その場合だと、推力改良1が搭載できないので、加減速回避の性能が劣るようになります。

 

総じて、操艦性を取るか、火力を取るかの差になります。乗ってみて隠蔽UG・転舵UG・固有UGのどれが自分に合うかを試してみるといいでしょう。

 

 

 

デアリング


スロット5

 

装填時間は隠蔽システム改良1のかわりに装備できる固有UGです。魚雷のダメージを向上させ、装填時間を短縮させますが、最良隠蔽が6.3kmになります。魚雷ダメージが16767dmg→19282dmg、装填時間が125秒→100秒になります。魚雷火力を強化して、ダメージを出していきたいプレイヤーや、魚雷メインで立ち回りたいプレイヤー向けです。

 

不満点としては、魚雷の射程が結局10㎞なので、魚雷を狙うには敵艦に近づく必要があり、レーダー艦が多い環境だと、強化した魚雷を活かせない場合が出てきます。また、隠蔽が悪くなることで、これまで対駆逐で苦労していなかった相手にも苦労する危険性があります。

 

幸い、ショートバースト煙幕を所持しているので、敵艦載機の横やりが入った場合や、対駆逐で状況が厳しくなった場合は、仕切り直しが可能です。なので、隠蔽のデメリットはそこまで足を引っ張らないでしょう。

 

隠蔽の悪化のデメリットが、昔よりも致命的ではなくなってきているものの、デメリットに見合うだけの魚雷火力が出せないと、装備した意味がなくなってしまいます。しかし、魚雷主体にして動こうとすると、レーダー艦が邪魔という状況が多くなってきます。

 

魚雷の装填時間が速くなったので、魚雷を当てに行きたいところですが、焦るとワンミスで沈んでしまうリスクがあります。魚雷装填は早くなりましたが、あくまで砲雷両用艦として意識して立ち回ると、無理することなく魚雷を狙う機会を見つけることができるでしょう。

 

 

 

Z-52

 

スロット5

 

最良隠蔽が6.1km→6.4kmになる代わりに、魚雷の雷速・被発見距離・装填時間が向上します。素の状態は69kts・1.40km・90秒ですが、これが72kts・1.26km・76.5秒になります。特に魚雷の被発見距離が短くなるのが大きく、リアクションタイムが7.6秒→6.5秒になり、駆逐艦でも避けるのが難しい魚雷になります。避けにくい魚雷を高回転で流せる強力なUGになっています。

 

ただし、最良隠蔽が悪化するため、被発見即ソナーという強力な立ち回りができなくなり、対駆逐艦の立ち回りが難しくなります。固有UGを装備することで、これまでの消耗品中心の戦い方から、魚雷中心の戦い方に重点が少し移動すると言えるでしょう。

 

また、デアリングの固有UGに似ていますが、デアリングはショートバースト煙幕で不利になったら仕切り直しがしやすいのに対して、Z-52は通常煙幕なので、不利になっても簡単に立て直すのは難しくなっています。隠蔽を使ってスポットしてくる相手だと、敵艦に接近させてもらえず、魚雷もソナーも効果的に使うことができずに苦戦する危険性があります。

 

字面の印象よりもハイリスク・ハイリターンな固有UGとなっています。対駆逐よりも魚雷での戦い方にウェイトを置きたいプレイヤーにはオススメと言えます。

 

 

 

エルビング

 

スロット6

 

主砲旋回速度が+100%向上し、主砲装填時間は-6%され、エンジンブースト使用時の最高速度が+12%されます。

 

主砲旋回が18秒→9秒になり、エンジンブーストを使用している時の最高速度は信号旗込みで45.4ノットになります。そのかわり、主砲装填UGを載せれないため、主砲の装填時間は7.1秒→6.67秒にとどまります。(主砲装填UGの場合は6.25秒に短縮される)

 

主砲旋回が速くなったことで、敵に主砲を指向しやすく、射撃機会を逃しにくくなります。また、敵駆逐艦に発見されて反撃する時に素早く対応ができるようになります。これによって、艦長スキルの無線方向探知や、歯車のグリスアップを取得しなくても、立ち回りがしやすくなり、艦長スキルで主砲装填時間を強化しやすくなります。

 

また、エンジンブースト中の最高速度が向上するため、敵艦の横についたり外周に開いたりなど、ポジショニングをしやすくなります。ただし、船体は巨大なので、回避盾運用は難しいです。やれないことはないですが、回避盾運用をする場合は油断しないようにしましょう。

 

この固有UGでは、主砲装填時間の短縮は-6%に留まりますが、艦長スキルで主砲装填時間を短縮させると、主砲旋回速度と装填時間の両方が強化でき、主砲の取り回しが非常によくなります。主砲をメインに立ち回る艦なので、取っておいて損はないUGと言えます。

 

 

 

 

クレベール


スロット6

 

最良隠蔽が6.2kmになる代わりに、主砲の装填時間が11.2秒になる固有UGです。これを装備することで、高速魚雷艇として立ち回ることができます。

 

クレベールは魚雷の射程は8kmですが、それ以外の魚雷性能は比較的良く、艦の機動性も相まって、高速で敵艦の横に付き、魚雷を流すことが可能になります。大きくプレイスタイルを変更できるので、遠距離射撃型のプレイングを変えたい人にはオススメです。

 

注意点としては、砲撃力が主砲装填ブースターを使ったら島風を超える程度で、基本的には島風以下になることと、空母・航空戦艦・レーダー艦・潜水艦が多い場合は、発見されると魚雷を警戒されて、魚雷が当てづらくなってしまうという点です。機動力を活かして、いかに敵艦の隙をついて雷撃ポジションに付けるかがカギになります。

 

立ち回りの難易度は、何もできないまま完封される危険性のある固有UGの方が高いと言えますが、スリルを味わいたいプレイヤーにはオススメと言えるでしょう。

 

 

 

ユエヤン

 

スロット5

 

隠蔽システム改良1のかわりに装備できる固有UGです。主砲の装填時間を短縮し、レーダーの動作時間と煙幕の持続時間を延長させます。

 

ユエヤンの主砲は山なりの弾道で、あまり距離を離しての砲撃は得意でないことを考えると、煙幕射撃にはやや不向きと言えます。また、煙幕の持続時間は70→84秒とそこまで長くないので、煙幕の持続時間の恩恵は小さいです。隠蔽悪化のデメリットの割には、メリットが薄いでしょう。

 

レーダーに関しては、25秒→30秒になり、警戒レーダー改良1や艦長スキルの消耗品強化で動作時間を強化すると、最大で39.6秒まで強化可能です。最良隠蔽は悪化しますが、レーダーの効果時間が非常に強く、被発見即レーダーも可能なので、敵駆逐艦狩りが非常にやりやすくなります。ただし、レーダーを装備すると煙幕を装備できないため、できるだけ自艦が安全な状況で仕掛ける必要があります。隠蔽悪化のデメリットに対してメリットは釣り合っていますが、立ち回りの難易度は非常に高いと言えます。

 

主砲をメインにして戦いたい場合、特に敵駆逐艦を沈める能力を高めたい場合に装備が検討されますが、立ち回りが非常に難しく、空母・航空戦艦・潜水艦の居る状況だとレーダー射程まで敵駆逐艦に接近させてもらえないこともあり、熟練者向けの固有UGと言えるでしょう。

 

 

 

ハッランド

 

スロット6

 

主砲改良3や魚雷発射管改良3などの代わりに装備できる固有UGです。消耗品の取り回しが良くなり、生存性を向上させるUGです。

 

主砲や魚雷の装填時間をアップグレードで短縮することができなくなります。しかし、修理班でのHP回復量がかなり強力で、修理班を的確に使うことができれば、これまでできなかったような強気なプレイを可能にしつつ、魚雷に当たるなどの立ち回りのミスも回復力でカバーできるようになります。

 

例えば、敵駆逐にアプローチする場合でも、一度に勝負を決めるのではなく、途中で島陰に入って隠蔽に入るなど、複数回にわたってアプローチを仕掛けることで、修理班での回復を複数入れて、HP差を徐々に作り、DPMで上回る相手でも沈め切るチャンスを作ることが可能です。

 

また、艦長スキルの「アドレナリン・ラッシュ」とも相性が良く、主砲・魚雷・対空の強いハランドにとって、火力強化の恩恵を受けながらヘルス管理も容易になる固有UGは、かなりメリットが大きいです。

 

もちろん、主砲や魚雷の装填時間や対空火力をアップグレードで強化できないというデメリットはありますが、上記の立ち回りと艦長スキルでカバーできることを考えると、デメリットよりもメリットの方が大きいアップグレードと言えます。ハッランドですぐに沈んでしまうという初心者プレイヤーから上級者まで、幅広く装備をオススメできる性能になっています。

 

 

 

 

おわりに

駆逐艦の固有UGの紹介記事でした。固有UGはプレイスタイルを大きく変えるコンセプトで作られています。それによって、クセの強いものが多くあります。持っていれば自動的に有利というわけではないので、取得は必須ではありませんが、研究局を進めている人は、プレイスタイルを変更する時に固有UGを試してみると、新しい発見があるかもしれません。